もはや、一般現象となりつつある主夫。だが、当事者になると葛藤も・・・



このは主夫の物語だ。
この物語がおもしろいのは
現在である子育ての部分と過去の部分
みどりさんとの出会いも描かれていることだ
そのことにより、彼の状態が浮き彫りにされていく

彼は、妹子と呼ばれている
男性である
主夫である
奥さんは書店の店長で高収入だ

どうして 妹子なのかというと
小野さんだからだ
小野妹子から妹子というあだ名がつけられた

彼の趣味は自分のやったことを時給に換算してしまうことだ
100円玉を川でなくして探す
1時間マイナス100円の男だと自虐的だ

前は少なくとも「Ⅰ時間あれば千円稼げる男」であったのにとしょげる

別に子育てを男がしても変ではないし
女が働き男が家にいるのも変ではない
だが、こういう感覚は最近の感覚であり
本人からすると妻の ヒモ であるという意識がある
だから、何でも時給換算してしまう

しょぼい話しで、子育ての話しだし
うーーん?
という感じになるだが、彼と妻の出会いの話しや
その役割分担などに話しがいたると
気がつくと彼に共感していて
つまんない話しが、ちょっとずつ面白くなってくる

どうしても、金を稼いでいる方は「食わせている」という感覚になり
主夫は女性化してくる
モチーフは、主婦労働も外で働くのと同じくらいの価値があるのだよってことだが・・・
どうしても無意識に上下をつけてしまうのだ

これから、女性が社会に進出し男が家庭に入るケースは増えてくるのかもしれない
こういう小説は増えてくるのだろうと思う


2019  8/3
令和 44 冊目
☆☆☆☆ の おもしろい作品だった。