これで打ち止めであります
本編とは違い、本書は特別編。なので、スピンオフ作品となっていまして、でも、物語の中心に料理があるのは一緒です
主人公が4話とも違います
花だより 愛し浅蜊佃煮
涼風あり その名は岡太夫
秋燕 明日の唐汁
月の船を漕ぐ 病知らず
最初の話しは、つる家の店主種市が死ね前に最後に一度だけ澪に逢いたいということで
江戸から大阪に旅する話しなのですが、とんだ東海道中膝栗毛になるコメディ
種市自ら作った土産の浅蜊佃煮の運命が気の毒
岡太夫の話しは、澪と恋仲だった小笠原こと小野寺の妻の話し
澪の存在を知ってしまうのだが・・・
ここで義母が作ってくれた岡太夫という料理が・・・夫婦の絆を深めてくれるという
とても良い話しなのでした
このシリーズのファンなら、野江と又次の関係が気になるはず
そこには秘めたる恋物語があったのではと・・・
唐汁の話しは、二人のなりそめのエピソード
若いころ、廓を抜けようとした野江を又次が助け温かい唐汁を飲ませた
そして、大人になってから、ケガをした又次を野江が庇うのだが
そこに二人の関係が出来上がるのです
又次が野江に向かって吐いた言葉がいい
何にも恐れることたぁ無い、あんたが大門を出る日まで、俺が守る。生命に替えてもな
野江は、又次との間に何もなかったと言っているが、こんなことを男の人に言われて
ホレぬ女はいないのではないかと思います
最後の 病知らず の話しは、澪が主人公です
夫である源斉医師が病気になり寝込んでしまいます
何を作っても食べてくれません
流行病の前で、先生は無力でした。たくさんの患者さんを死なせてしまった
そんな彼の食欲、気力を取り戻させるのも食べ物
江戸育ちの先生が、食べ物のホームシック状態にあることに気づき母親から味噌の作り方を伝授してもらい江戸風の味噌を作り、それで味噌汁をという話しです
大阪と江戸では、食文化がまったく違うので、そういう点は大切なのです
ラストシーンで、種市たちがやってきます
お澪坊、俺ぁ、お澪坊に会いたくて会いたくて、とうとう来ちまったんだよぅ
これが みをつくし料理帖 らしいということでしょうか?
傍らには、坂村堂と清右衛門もいます
来年の秋には映画公開
年末には、NHKのドラマ特別編
澪役は、映画が松本穂香さん
ドラマは、黒木華さん
二人とも好きな女優さんなので、どんな澪を演じるのか今から楽しみです
長かったようで、短かった11冊
少しだけ名残惜しい気がしますが、とにかく、このシリーズは名作でした
おすすめの作品でございます
#みをつくし料理帖花だより #高田郁
— 武藤吐夢 (@m181981) October 19, 2019
このシリーズの中心には、いつも料理があり、そして、それを提供する優しい人たちがいた。それが、この物語の魅力であり、シリーズ後半の怒濤のような不幸が、やはり印象的でした。おもしろいシリーズなので、おすすめです。今回はスピンオフ作品。#読了 pic.twitter.com/v5QxxYJL0U