武藤吐夢@ BLOG

令和になって読んだ本の書評を書いています。 毎月、おすすめ本もピックアップしています。

カテゴリ: 2020年読書まとめ


読んだ本の数:13
読んだページ数:3329


今月はたくさん読めました。
収穫も多かった。

ーーおすすめ本ーー

哲学の蠅
吉村 萬壱
創元社
2021-11-25


夏美のホタル (角川文庫)
森沢 明夫
KADOKAWA
2014-08-23


10の奇妙な話 (創元推理文庫)
ミック・ジャクソン
東京創元社
2022-01-19



ーーーーーーーーーー

哲学の蝿は、圧倒的におもしろかった。
読者を選ぶ本ですが、かなり濃厚です。
エッセイ風の私小説
私小説であり哲学でした。


10の奇妙な語は、タモリさんの世にも奇妙な物語風
かなり面白いです。


夏見のホタルは、森沢ワールド爆発の小説
癒やし系です。

他、「鼻」も良い短編でした。


以下、簡単なまとめ。


桜風堂夢ものがたり桜風堂夢ものがたりの感想
桜風堂ものがたりの番外編。短編が4つ、ラストの物語は今いちだが、他3つは読み応えあり。ファンタジーの臭いに優しさが混ざっててとても心地よい。最初の森の幽霊屋敷を少年たちが冒険する話しはキングのスタンド・バイ・ミーぽくて好み。老婆の正体が良い。2つ目の話しと3つ目の話しは似ている。書店主が森で迷子になりながら過去と対面する話しのほうは温かい。次の書店員と死んだ父のプチデートは感慨深く、何となく父は死んでいるのだろうなと思っていたのだが、やはりであった。石川啄木の詩の引用はとても良し。
読了日:03月01日 著者:村山 早紀
怪談最恐戦2021 (竹書房怪談文庫)怪談最恐戦2021 (竹書房怪談文庫)の感想
1つ1つが短く読みやすい。しゃべりを文章にしたという感じが強く、本当の意味での怖さというのは伝わらないのかも。葬式の夢の話しが一番怖かった。偽者の母親が出てくる話しもゾッとした。
読了日:03月03日 著者:
10の奇妙な話 (創元推理文庫)10の奇妙な話 (創元推理文庫)の感想
「境界線」がモチーフだと思う、それは日常と非日常とか、正気と狂気とか。そういうボーダーラインのことだ。典型的なのは「隠者求む」「ピアース姉妹」「川を渡る」だ。ピアース姉妹は最初、災難救助者という善人、しかし、助けた人間に理不尽な罵倒をされた。そこで正常の世界から狂気の世界に舞い込んだ。この豹変ぶりがゾッとする。隠者の話しもそうだ。正気が一転狂気に変わった時、そこに物語のダイナミズムがある。面白い。川を渡るの葬儀屋の老人は、たぶん、この世とあの世の境界線を彷徨ったのだ。これも興味深い。
読了日:03月06日 著者:ミック・ジャクソン
君と夏が、鉄塔の上 (ディスカヴァー文庫)君と夏が、鉄塔の上 (ディスカヴァー文庫)の感想
自転車で鳥人間みたいに空を飛びたい少女と、幽霊が見える不登校の優等生、鉄塔オタクのまじめ少年。三人はある夏、1つの目的で動き出す、それは鉄塔の上にいる少年、たぶん幽霊。・・・の謎を解き明かすことだった。前半のおとなしい展開と比べて後半のファンタジー色が濃厚な鉄塔の線の上を歩くような世界は魅力的。
読了日:03月08日 著者:賽助
脳釘怪談 (竹書房怪談文庫)脳釘怪談 (竹書房怪談文庫)の感想
実話怪談だという、たしかに怖い。しかし、数が多すぎて印象に残った話しはそんなに多くない。やはり、最初と最後は怖い。呪いの寺に連れていくのは嫌いな孫。魂を食した粥、夜中に俺の魂を食ったやろと現れる白い和服の男。自分の顔が転がっているろくろ首に似た話し、床下に仏壇簡易式がある呪われた家、死者の食べ物は塩気がないというハンバーグの話し、血プリン屋はゾッとした。
読了日:03月10日 著者:朱雀門出
生物はなぜ死ぬのか (講談社現代新書)生物はなぜ死ぬのか (講談社現代新書)の感想
生物の進化の過程で死ぬということが意味があったということを知りました。恐竜が絶滅したから、哺乳類は進化した。つまり、死は次の世代のためのステップアップという風にも解釈できるのかな。それともう1つ、癌って怖いけど、老化というのは、癌にならないようにするためのメカニズムの1つだったという著者の考え方はなるほどと思った。死は動物の場合、次の世代の架け橋となっていて、鮭とかでもそうだし、蜘蛛のある種類のは子のため内臓とか食わせるというのだからすごいよ。面白かった。
読了日:03月12日 著者:小林武彦
夏美のホタル (角川文庫)夏美のホタル (角川文庫)の感想
田舎で見たホタル。この描写の美しさ。それよりも、もっと美しい優しい田舎の雑貨店に暮らす母と息子。この優しい物語には悪人は出てこない。親子とは何か?。生きるとは何か?。田舎の自然と、そこに暮らす人たちが読者に語りかけてくるようであった。森沢さんの作品は名言の宝庫だ。とても良い作品だった。癒やされた。
読了日:03月13日 著者:森沢 明夫
哲学の蠅哲学の蠅の感想
エグっというのが正直な感想だ。これはエッセイと言っているが私小説、もしくは吉村哲学だろうなと思った。濃密な青汁を一気飲みさせられたような気分だが、実は、癖になるというか、嫌悪感を感じた本こそが印象深く、僕の中に爪痕も残したと思う。それにこれは深い。人生哲学というのか、吉村さんの生き様というのか、ここから学ぶことは多く。何度も何度も読み返して手元に置いておきたい本である。聖書の代わりに、まさか、そういう意味ではないが、とにかく強烈なインパクトだった。読み応えあります。この本に出会えて良かった。
読了日:03月19日 著者:吉村 萬壱
鼻 (角川ホラー文庫)鼻 (角川ホラー文庫)の感想
第14回日本ホラー大賞短篇賞受賞作が表題作の「鼻」になります。その作品を含む3篇を収録した作品。「鼻」は2つのパートに分かれていた現実と妄想なのか。ラストのオチはありがち。「受難」は、珍しい展開で楽しめたが中途半端な感じがどうしてもした。「暴落」は人が株式のように売買される世界で、それは株式市場そのものなのかな。あるエリートが小賢しい知恵でそのマーケットというのか社会と対抗し没落していく様を描いたもので展開がかなりスリリングで面白く、ラストのオチはやっぱり感はあったが、これは力作というか秀作だと思います。
読了日:03月20日 著者:曽根 圭介
本当は怖い 京ことば本当は怖い 京ことばの感想
京都の言葉、いわゆる「京ことば」を研究し京都人気質を表現しようとした書物でした。エンタメ風でありながらも学術本風。楽しめて学べるという感じのイメージです。意味が反対の言葉であるという部分は、かなり他府県民からすると難解で怖いですね。相手の心がよくわからない言語、それは歴史の集大成というべきでしょうか。言葉は柔らかく否定形をあまり使わない、ようするに対立を激化させないような婉曲表現がとられている。それもかなり極端です。行者さんが家の前でお経を読んでいるとおばあさんが「お通りやすーー」と言う。こういう断り方。
読了日:03月23日 著者:大淵 幸治
アリスが語らないことは (創元推理文庫)アリスが語らないことは (創元推理文庫)の感想
「そしてミランダを殺す」の作者の最新作。老本屋の亭主が殺された。ハリーという息子が謎解くをする。アリスは父の後添えである。現在と過去の二重構造となっていて、それが、二重奏のような効果となり胸に響いてくる。読みやすく、わくわくが止まらない。さすがミステリーの名手。構成も良く、最後まで目が離せない内容になっている。しかし、このアリスは悪女なのか。それはどうなのだろう。あたかも彼女は悪女のように語られるが、どこかに僕は共感を覚えるのだ。悪いのは継父ではないのかと思ってしまう。
読了日:03月26日 著者:ピーター・スワンソン
夜が明ける夜が明けるの感想
モチーフは貧困。無名俳優のアキ・マキライネンに似ている大柄の男と、主人公の出会い。そして、青春、彼の死までを描いた秀作。売れない役者のアキと、テレビのADをやっている主人公は、一昔前に問題になった「日本人の貧困」の典型的な雛形だった。売られない役者、芸人の生活の苦しさは理解できるし、ADという職業がモラハラやセクハラを受けやすいのもわかる。メンタルが崩壊し潰れてしまう主人公に「助けを求めろ」という森という後輩。その先には、たぶん、夜が明けるのさと思ってしまった。
読了日:03月27日 著者:西加奈子
ゴースト・テーマパークの奇跡 (角川ホラー文庫)ゴースト・テーマパークの奇跡 (角川ホラー文庫)の感想
角川ホラー文庫ですが、そんなに怖くない。あるテーマパークの話し。そこに幽霊担当のスタッフがいて、何かその土地が問題のある土地みたいなんですよ。幽霊の見える彼が問題解決します。怖いというよりも温かい感じの話しでした。異次元に繋がるという噂の扉の話しだけは少しホラー映画の魔の迷宮っぽい感じで他とはタッチが違うかな。これは好みでした。幽霊の父親と数十年ぶりに再会する息子との約束の話しとかは、感動を狙った感じすらします。悪くはないが感動はしなかったです。そこそこ楽しめるエンタメ作品です。
読了日:03月29日 著者:木犀 あこ


11月の読書のまとめ

読んだ本の数:15
読んだページ数:3262
11月はいがいにたくさん読んでいます。
連休でもあったのだろうか?

---  おすすめ本 ---

ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野 圭吾
ヘディングはおもに頭で 西崎 憲
カラスの親指 道尾 秀介

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エッセイですが、すべて忘れてしまうから 燃え殻 も良かった。

以下、感想。



展望塔のラプンツェル展望塔のラプンツェルの感想
差別や虐待や暴力や不妊という社会問題を扱った作品だが、ラストにとんでもないドンでん返しがある。時代錯誤な感覚とか色々と物語を追って行って矛盾を感じていた。ヤクザや不良や在日差別。これって昭和時代っぽすぎる。そこに現在の問題。親が子供に暴力をふるうようなネグレクト問題が絡まってきたり、父親の娘への性的な暴力。そして、ラストで、その矛盾が一気に解決した。この二重構造的な書き方は良く出来ているし物語の構成もしっかりしていた。前時代的な、晴と海となぎさの三人の関係が心地よい。いい話しですが残酷です。
読了日:11月01日 著者:宇佐美 まこと
血の轍血の轍の感想
これはミステリーというよりも警察内部による公安と刑事部の対立というのか泥仕合。「正義はときと場合によって姿を変える」というのがモチーフらしいが、その正義とはしょせん組織のメンツを守るためのものであり、それが正義とは思えず肝心な仕事に支障をもたらしてしまうという二重行政ならぬ二重捜査というか邪魔。こんなことで本当にいいんだろうか?。
読了日:11月06日 著者:相場英雄
恋話ミラクル1ダース恋話ミラクル1ダースの感想
未良来(みらくる)中学校の生徒の恋愛短編集です。発想がとても斬新。頭に花が咲いている男子の秘めたる思いを突き止める女子が何となく好きだ。ユリ科の花が頭に咲くんだよ。彼女の名前は「ゆりか」。ずっと、彼女のことばっか考えているから、「ユリ科」の花が咲く。AIアプリの人間に対する恋愛とか、ステルス化した少女は誰にも気づかれないし、恋のキューピットの矢を射る二人は両想いだし。ゾンビの恋もおもしろかった。ほっこりできるアイデア満載のミラクルラブストーリーでした。
読了日:11月07日 著者:にかいどう青
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)の感想
道尾さんの作品はあまり好きじゃなかったが、これは別だ。とてもおもしろい。ミステリーのだいご味はキャップ(落差)にある。ラストのどんでん返しの衝撃。本書は盤上の白の石をラストですべて黒に変えてしまうという荒業を成功させている名作である。さらに、詐欺師を主人公にすることで、物語の面白みも引き出しており、キャラもいい。色んなところに散りばめられた小ネタをラストで一気に回収させるところは伊坂さんに似ていて「やられた」という感じがある。とにかく名作。
読了日:11月08日 著者:道尾 秀介
すべて忘れてしまうからすべて忘れてしまうからの感想
すべて忘れてしまうから・・・。人生とは、そんなものだろうか?。とくに前半がおもしろかった。多分、僕とまったく価値観が違うから、物珍しさがあるのだと思う。だが、共感できる部分もたくさんあった。これまで辛い人生を送ってこられたのだと思った。だから「逃げる」ことを否定しない。人生はままならない。だからこそ希望が必要なんだ。自分では絶対に経験できないような、そんな体験を作者がされているのも面白い。少し厭世的なのかとも思ったが、そうでもなさそうだ。とても良い本でした。
読了日:11月10日 著者:燃え殻
1日ごとに差が開く 天才たちのライフハック1日ごとに差が開く 天才たちのライフハックの感想
成功者たちの習慣を紹介している本だった。色んな変わった習慣があったが、やはり読書とかメモとか日記などという定番の習慣が多かった。立ったままで執筆する小説家。音楽を聴きながら仕事をする。好きなものに没頭する。とにかく仕事のモチベーションを上げるのに皆必死なのだということが理解できた。これは単に読んでいるだけでも楽しい上に役にも立つ本だと思う。とてもいい本だと思う。
読了日:11月13日 著者:許 成準
おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)の感想
子供向けの経済解説本という感じだった。わかりやすくていいと思う。リーマンショックの話しについては、とくに細かく事実の記述があり子供はわかりずらいかもしれないが面白い内容であり、ヘックスヘブンの話しに「イギリス」が・・・というのは知らなかったので良かった。ただ、この生徒の親の職業、パチンコ、高利貸し、地主の中の前の2つの職業を思いっきりネガティブに「ぬすむ」とかに分類するのはどうかと思う。違法金利の闇金融は別にしても、すべての高利貸しをアウトにするのはどうかと思う。パチンコもである。  
読了日:11月14日 著者:高井浩章
遥かに届くきみの聲 (双葉文庫)遥かに届くきみの聲 (双葉文庫)の感想
朗読のイメージが変化した。ただ、子供に読み聞かせる。それが朗読だと思っていた。コンテストとかあるんですね。技術点とか、何とか点とか・・・。大切なのは作品理解である。その作品をどう解釈するかで読みの深みが変化してくる。なるほど・・・と思った。僕のまったく想像もしていない世界。とても楽しそうな世界がそこにはあり、メインのストーリーよりも個々の作品解釈に夢中になった。とくに、宮沢賢治の詩の解釈。あれはおもしろい。解釈の仕方で読み方が反対になる。宮沢賢治の妹のとし子の最後のシーン。ああ解釈するのか。なるほど・・・
読了日:11月15日 著者:大橋 崇行
トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業の感想
小説としても楽しい・・・、少しくどくオッサン臭くもあるが・・・楽しいし、ノンフィクションだと臭わせるように歴史的事実との整合もあり重量感もある。武田の解任がああいうことだとするのなら、この愛知の自動車メーカーにとって大損失であったとしか言えない。にしてもロビー活動の大切さというのがわかった。人物も魅力的で話しも面白く、とても楽しめました。企業小説の中でもかなり上のほうの優れた作品になると思います。
読了日:11月18日 著者:梶山 三郎
ちょっと今から人生かえてくる (メディアワークス文庫)ちょっと今から人生かえてくる (メディアワークス文庫)の感想
タイトルのまんまの内容だった。新入社員が仕事に挫折して自己嫌悪になり自殺寸前まで追い詰められる。そこで「やまもと」という同級生に声をかけられて救われるのだが、それは同級生の山元ではなくて別の山本だった。「人生はそれほど悪いもんやないやろ?」。こう思えるような人生でありたいね。そう思います。
読了日:11月21日 著者:北川 恵海
超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由の感想
オレオレ系ってのかな、とにかく筋トレの良さを過剰な感じで宣伝している内容。もちろん、先生が出てきて解説もしています。確かに、筋トレはメンタルやアンチエイジングにもいいし、健康的だし、それから筋トレの誤解もきちんと解消できたので良しとします。にしても語り口、俺様的な雰囲気。どうにかならないものですかね。先生まで最後の方はおふざけモード。本としては楽しめたです。内容はあまりない。2時間で読めます。
読了日:11月22日 著者:Testosterone,久保孝史,福島モンタ
ヘディングはおもに頭でヘディングはおもに頭での感想
地味目の青春物語?。弁当屋でバイトとながら浪人している受験生なのにアクティブにフットサルのスクールに参加して読書会にも参加する。ようするに自分探しの物語だ。そして、彼はそれをフットサルを通して何か見つけたのだろうか?。それとも悩んでいるというのか迷宮に迷い込んだ途中なのだろうか?。陰気でぐじぐじしていて内向的で少し前の世代の小説みたいな印象がぬぐえない。いくつか刺さる言葉があり、だから作品としては読んで良かったというのが正直な感想。にしても嫌な奴らがたくさん出てくる。現実はそこまで嫌な奴らばかりじゃない
読了日:11月23日 著者:西崎 憲
人気NO.1予備校講師が実践! 「また会いたい」と思われる話し方人気NO.1予備校講師が実践! 「また会いたい」と思われる話し方の感想
話し方によって印象も説得力も違ってくるという話しはおもしろい。その前提条件である信頼性が必要なのだ。人は知らない人を避ける性質があるから、こちらが役に立つ信用できる人間であると示さなくてはならない。そのための法則が本書には具体的な形で示されていた。エビデンスも紹介されていたので納得しやすい。なるほどという話しが多く良かった。読みやすいというのがいいと思う。
読了日:11月26日 著者:犬塚 壮志
斎藤一人 絶対、なんとかなる!斎藤一人 絶対、なんとかなる!の感想
究極のポジティブシンキング。勇気が出る。斎藤さんを好きな理由は、このシンプルで前向きな姿勢だ。心を豊かにできれば全て成功するとか、何とかなるとか、ならんこともあるだろうが、本当に何とかなりそうな気がするから楽しい。ようするに悪口とか、ネガティブなことを考えたりしていると、嫌なことを引き付けて、ポジティブ、何とかなるとか、絶対にやれるという思考でいると良い物を引き付けるということみたいだ。
読了日:11月28日 著者:斎藤一人
ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)の感想
過去と未来を手紙で繋ぐ1日だけの復活祭。この悩み相談の手紙は手紙のやりとりではなく心のやり取りなんだなぁと感じました。悩み相談をしていた雑貨店の爺さんへの手紙が33回忌で1日だけ復活し過去からの手紙が未来に届く。この配慮は、爺様が好きだった女性のはじめた児童養護施設の子たちを救いたかったのかもしれないと思いました。でも、過去の人を現代人のアドバイスで金持ちにしたのは、あまり良くない。過去への干渉はどうも好きにはなれません。とはいえ、これは読後感のとても良い良い作品です。おすすめです。
読了日:11月29日 著者:東野 圭吾

以上

2020年10月の読書記録

読んだ本の数:13
読んだページ数:3176


 1日100ページくらいしか読んでない。読書量が明らかに減っている。コロナ下の比較的暇だった時期の約2/3です。そんなに忙しかったのかなぁ?。
 
-- 今月のおすすめ本 --


ゴールデンスランバー

八日目の蝉

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この三冊、どれも映画の原作で小説を読んだ後に映画も見ています。
そういう企画をしているのです。
ようするに、映画化されるには、それだけの理由があるということです。
原作小説が飛び抜けて素晴しかったわけです。

新作本では、殺人の品格 がおもしろかった。
脱北者の現実が見て取れます。えぐいけど名作です。

(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法 は
名作小説を楽しく読む方法が書かれていて、これも楽しかった。おすすめです。

石川 宏千花さんが好きなのですが、今回読んだ本は今いちでした。
質屋の女房も面白いのですが、何となく足らない感じ。

以下、読んだ本のまとめ。

えにし屋春秋えにし屋春秋の感想
えにし屋とは、縁を結んだり切ったりする仕事です。お頭と初さんと、子供と女中のおばさんの4人でやっています。一話目は、少し時代物ファンとしては?でした。気持ちはわかりますが江戸時代の思想ではないからです。二話目の少し怪談めいた話しは、お頭と初の過去が絡んだ少しアクションもある秀作でした。人物造形もしっかりしていて読み応えあり、このレベルの作品を続けてこれるなら、先がどんどん読みたくなるレベルの面白さでした。この「えにし屋」という設定がおもしろいので、続編を期待しています。
読了日:10月03日 著者:あさのあつこ
ゴールデンスランバー (新潮文庫)ゴールデンスランバー (新潮文庫)の感想
ハリソン・フォードの映画に「逃亡者」という名作があるのだが、本作はそれに近い。主人公が逃亡する物語だ。総理殺しの冤罪を押し付けられ警察は身柄の確保よりも射殺を考えている。人間関係の複雑さはあるが、そこで派生したネタをいつものように一気に伏線回収しエンドになっていてる。きーわど「痴漢死ね」「よくできました」「ギャバ嬢ナンパ」だ。できることなら、映画と合わせて欲しい。一番好きなシーンは車のシーン。元カノが交換したバッテリーで復活した廃車で逃走する彼と、最後の方の花火。これもいい。とにかくいい。
読了日:10月04日 著者:伊坂 幸太郎
殺人の品格 (扶桑社BOOKS)殺人の品格 (扶桑社BOOKS)の感想
作者は脱北者だ。あとがきを読んでびびったのだが、北朝鮮での人肉を食うエピソードは事実だし、ラストの脱北者を韓国政府が戻し処刑されたのも事実なのだという。脱北しても密告やら拉致されて子供は臓器を取り出し殺され、女は性奴隷にされるという事実。そして、やっと韓国にたどり着いても無視され戻される。これは地獄だなと思った。多少自分本位でご都合主義の展開なんだけどインパクトのある作品で、とても楽しめた。韓国で出版の邪魔をされるのもわかる。北朝鮮の支持派だけでなく韓国にとっても、この事実は公表できない恥ずかしいことだ。
読了日:10月06日 著者:イ・ジュソン
八日目の蝉 (中公文庫)八日目の蝉 (中公文庫)の感想
赤ちゃんを盗んで逃避行する女の話し・・・。ワクワクする展開で、ハラハラドキドキですが、この女の4年間の幸福は、実は、実親の地獄のような苦しみという代償の元に成立しているのです。見知らぬ方言を話す娘を見ていると、実の母親はとまどう。犯人を思い出す。その犯人と不倫をしていた夫を恨まずにはいられない。そんな不遇な家族の中で育った彼女は人を愛せない。しかし、昔を辿る旅に出て・・・。あの女が、他人なのにどうして実母よりも薫のことを愛していたのかは、それは人を愛するしか生きていく道はない。という彼女の環境が・・・。
読了日:10月10日 著者:角田光代
極主夫道 コミック 1-3巻セット極主夫道 コミック 1-3巻セットの感想
ヤクザなのに主夫というのが笑えた。エプロンとヤクザファションのギャップがいい。人形を壊した後の隠蔽が、いかにもヤクザだった。埋めるという発想はおもしろい。死体は埋めるか沈めるかなのだよね。
読了日:10月11日 著者:
双子の悪魔 (幻冬舎文庫)双子の悪魔 (幻冬舎文庫)の感想
悪魔の双子とは、ウイルスのことだったのか。偽サイトに誘導し、個人情報を抜き取り、クレジットカード少額請求詐欺をする。双子とはサイトとは別のミラーサイトのことだ。詐欺の手口の話しだが、この沼島という男はどうも生きているというラストのようだ。この女性記者とプロレス関係者の二人じゃ太刀打ちできないし警察は曖昧な結論で終わらせようとする。話しは興味深くおもしろかった。もっと、主人公のキャラを魅力的にするとか、沼島の彼らに対する恨みも激しい何かだったらリアルだったのにと思う。
読了日:10月13日 著者:相場英雄
(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法の感想
小説には書き方がある。そういうことが書いている本はたくさんあるが、こんな風に読めというレッスン本はない。本書は、小説の読み方を示したレッスン本だが、その魅力は方法論ではなくて個別の小説を例にとった後半部分にあり、とくに芥川や川端康成に対する解釈は一読するに値ある面白い内容となっていた。三島の金閣寺の解説については、少しふざけすぎとも思わなくもないが、まぁ、あれは金閣寺萌えなんだろう。なるほど・・・と思った。すごく面白かった。
読了日:10月19日 著者:三宅香帆
我々は、みな孤独である我々は、みな孤独であるの感想
前世で俺を殺した人間を見つけてくれというミッションをしている間に、メキシカンマフィアとかヤクザかに生命を狙われて2度も拉致られて、うーーん、ありえないという展開ですね。おもしろいんだけど、結論は「まじですかーーー」という混沌オチ。というか意味不明。これで納得はしずらいでしょう。何か宗教みたいな考えだった。
読了日:10月22日 著者:貴志祐介
神さまの貨物神さまの貨物の感想
貧しい木こりのおばさんが、貨物電車から投げ捨てられた赤ちゃんを拾って育てるという話し。時代が1930年代、この貨物で運ばれていたのはユダヤ人。当然、引き取ったはいいものの、大きくなると目立つ。母親のおばさんとは、容姿も違うだろう。理不尽に殺される夫、彼らをかくまってくれた顔の潰れた男まで殺される。さらに、再会した父親は、親子の名乗りすらしない。このままの方が幸せなのだと思ったに違いない。戦争がもたらす悲劇を美談という観点から語った作品でした。
読了日:10月24日 著者:ジャン=クロード・グランベール
対岸の彼女 (文春文庫)対岸の彼女 (文春文庫)の感想
「私たちの世代って、ひとりぼっち恐怖症だと思わない?」 この言葉が腹に響いた。まず、友達を作ろう。それはどんな人でも構わない。とにかく孤立しない。それが目的になる。それは子供の時だけでなく、大人になってからもだ。ママ友。パパ友。趣味友。でも、そういう友達って流れが変化すると友達ですらなくなる。ようするに、どうでもいい関係なのだ。だから、現代人の悩みは真の友の不在である。主人公二人の過去もその思想に支配されていた。でも、二人が出会い田村は女社長の過去の事件を知り変わったのだ。そこに意味がある。
読了日:10月25日 著者:角田 光代
拝啓パンクスノットデッドさま (くもんの児童文学)拝啓パンクスノットデッドさま (くもんの児童文学)の感想
子供の貧困の話し・・・から、パンク・・・。ライブ。母親が弟だけを連れて・・・。これは音楽を通しての自立の物語だ。貧困という状態にあっても、音楽という心の支えと弟の存在が彼に希望を与えた。そして、父親かわりのしんちゃんの存在。別の親の愛がなくても、誰かの深い愛情を受けていたら、それはそれでまともに育つし、人はやるべきものを見つけた時、自分の可能性を信じる強い存在になれるのだった。音楽への作者の情熱がわかる。おもしろかった。
読了日:10月27日 著者:石川 宏千花
深く考えるための 最強のノート術: ――年収1億稼ぐための思考法 (「しくみで稼ぐ」シリーズ)深く考えるための 最強のノート術: ――年収1億稼ぐための思考法 (「しくみで稼ぐ」シリーズ)の感想
前田さんのメモ術をノートにしたような感じだった。ようするに、ノートに書くということで思考を可視化するという作業が色んなことで役に立つというのが本書のモチーフなのだ。人間の脳は忘れる。せっかく読んだ本の内容だとか、忘れてスルーしてしまうのをもったいないと思う。ノート術を使い反復し考えを伸長していけば、さらに大きなアイデアとなるに違いない。そのためにノートを使う。何をやるべきかTODOについてもノートに書きブラッシュアップすることで洗練されていくという事なのだと思う。読む価値のある本だと思います。
読了日:10月29日 著者:午堂登紀雄
質草女房質草女房の感想
幕末の話しだ。彰義隊の男が妻を質草として10両借りて逐電した。主人公の食い詰め浪人は質屋に、その男の生死を確かめてくれと頼まれる。でないと預かっている奥方をどうしたらいいのかわからないのだ。このつかみはかなり興味深い。浪人はそこで会津に向かうが途中新政府軍の参謀の速水という剣豪につかまってしまう。そこからの展開がいい。早見ともども会津に向かい、浪人は単独で会津に・・・。最後は早見を斬ることになるのだが・・・、その理由というのが物語の肝になる。とてもいい。
読了日:10月31日 著者:渋谷雅一

以上


 2020年4月の読書まとめ

コロナの影響で、土日はひきこもり状態で、平日も普段の3時間平均よりも多く読書時間がとれて、たくさん読めました。ただ、集中力もやる気も今いちで・・・、不安を読書で埋め合わせするような読書が多く。チャレンジはしてなくて、無難な名作頼りでした。
新作は、店長がバカすぎて 半自伝的エッセイ 廃人 ピエタとトランジ <完全版>の3冊。
光文社古典文庫が、6冊と多い

読んだ本の数:15
読んだページ数:3526

おすすめ本

ピエタとトランジ 藤野 可織
書記バートルビー/漂流船 メルヴィル
月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~ ピランデッロ

「ピエタとトランジ」は、久しぶり鳥肌ものでした。これは名作です。


以下、簡単な感想・・・


月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~ (光文社古典新訳文庫)月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~ (光文社古典新訳文庫)の感想
作者は、徹底的な悲観論者なのではないかと思ってしまうほど、根の部分が暗い。イタリアの有名な劇作家で短編の名手であるのだが、読んでいて辛くなってくる。されど面白い。何なのかな、この矛盾した感覚。「紙の世界」という読書家の話しが好きだ。目が見えなくなり、他人のせいにしたり、朗読の女性を雇うが、気にいらなくても黙読させたり、つまり、彼は自分の世界。紙の世界がお気にめしていて、朗読の女性に黙読させ、ときどき、質問したりする。内容は頭に入っているのかな。何かおかしな世界で根暗なんだが、それもありなのかもと思う。
読了日:04月02日 著者:ピランデッロ

アラジンアラジンの感想
アラジン 小倉銀時 京都の雑居ビルから生じたピカレスク小説。おもしろい。ビルを支配する悪を、小悪党の管理人と友を闇金に殺されたアラブ人顔の男と、家をだまし取られた老人が見事にひっかける。ラストのラストまで先が見えない展開は、エンタメ小説としても楽しめた一気読みです。少し古臭い雰囲気はありが良く出来ていると思う。
読了日:04月04日 著者:小倉銀時

歎異抄 (光文社古典新訳文庫)歎異抄 (光文社古典新訳文庫)の感想
何故、関西弁なのか?。よくわからない。でも、とても理解しやすいくだけだ文章だった。あまり宗教に関心のない人でもわかると思う。親鸞の教えを弟子の唯円が解説したというのか、間違って歪んだ部分の修正というのかな。ようするに、南無阿弥陀仏というお経を唱えれば往生できると信じることが大切で、悪人だろうが賢者だろうが金持ちだろうが、その人の背景は関係ない。信じる心の強さが大切だと言いたいようだ。つまり、楽して極楽浄土に行ける方法が、この親鸞の教えというのかな。後の解説は長かった。興味がないので適当に読んでしまった。
読了日:04月05日 著者:唯円,親鸞

店長がバカすぎて店長がバカすぎての感想
店長がバカすぎて  早見和真 バカな書店店長と契約社員の女性の話しなんだけど、書店の内実にせまっていて、なかなか厚みのある話しだった。ラストの為に、色んな伏線が巡らせていて一気に回収。これは悪くない。店長は少し抜けているナルシストだが、悪い人ではない。だから、店の雰囲気もそんなにギスギスしていなくていい感じなのです。2020年本屋大賞ノミネート作品。
読了日:04月09日 著者:早見和真

まんがでわかる! 元気が出る睡眠まんがでわかる! 元気が出る睡眠の感想
慢性的な寝不足で、だいたい平均4時間くらいの睡眠時間が高校の時くらいから続いている。何か参考になればと・・・。寝だめがダメなことや、朝決まった時間に起きるとか、適度な運動で脳だけではなく身体も披露させるなど、内容としては知っていることが多かった。知識はネット検索で出てくるlevelだが、漫画が面白いしいいのではと思う。
読了日:04月11日 著者:カミムラ 晋作,鍛治 恵

まんがで鍛える 脳の強化書―――私、成長したいんです・・・(Business ComicSeries)まんがで鍛える 脳の強化書―――私、成長したいんです・・・(Business ComicSeries)の感想
脳の強化の仕方をまとめた本の漫画本だった。ラジオを聴きながら寝るか、歌いながら料理をするとか、植物に話仕掛けるとか、一人でやっていたら変人と思われるようなことが多いが、1つ1つ理屈が説明されているので納得した。思考系のトレーニングがしたかったので、朝、起きた時、その日の目標を20文字で表現するとか、寝る前に、今日あったことを3つ書き出すとか、これは実践できそうだった。
読了日:04月12日 著者:加藤俊徳

まんがでわかるワルい心理学まんがでわかるワルい心理学の感想
悪い心理学というタイトルだが、少しも悪くない。心理学を学ぶことで人間関係が円滑になるのなら良い心理学だ。「ビジネス」と「恋愛」の2つのパートがある。結局、人間関係を良好にしてという話しになる。相手をよく観察して距離を縮めて親密度を増すのが良い。面白かったのは、嫌いな相手に対して「頼み事」をする。それで相手の中に感情の修正が起きるというのは実践できそうだ。
読了日:04月14日 著者:秋内常良,松枝尚嗣

半自伝的エッセイ 廃人半自伝的エッセイ 廃人の感想
半自伝的エッセイ 廃人 北大路 翼 俳句で飯が食えているのだろうか?。半自伝というわりには、言及は表面的である。アウトロー的な生きざまを句に込めることで独特の色合いを出している。それが北大路さんの武器だ。まだ、42歳なのに、おじさんのような価値観なのでびびる。俳句は素人でよくわかんないが、いくつかは心に刺さった。キャラで言っているのか本音なのかがよくわからなかったが、楽しい読書であった。
読了日:04月16日 著者:北大路 翼

人もいない春 (角川文庫)人もいない春 (角川文庫)の感想
西村さんの作品は私小説だと聞いたが・・・、まじだとすると相当のクズだ。こんな性格では社会では通用しない。秋恵の病気の看病の話しはひどすぎだ。恋人なのに、何なんだろうな。こんな男は女を幸せにはできないと思う。これは女をただの性欲処理の道具とでも思っているのだと思う。・・・、と読者を興奮させるほど、逆に言えば小説としても面白いとも言える。
読了日:04月17日 著者:西村 賢太

まんがでわかる「学力」の経済学まんがでわかる「学力」の経済学の感想
質問に対するアンサーという形式で、子供の教育の問題をわかりやすくエビデンスを表示し説明しているので説得力がある。例えば、褒めるのは何に対してか?。能力に対してなのか?。努力にたいしてなのか?。才能のある子を褒めるのは良くない。努力に対して褒めるのは良いというデーターを元にして「努力」を褒めるという結論となっていた。才能は漠然としているが、「努力」はわかるから、具体的なイメージや実感がともない。ほめられたから、また、努力しようとなり成績が伸びるというデーターになったのだと思う。
読了日:04月18日 著者:中室 牧子

闇の奥 (光文社古典新訳文庫)闇の奥 (光文社古典新訳文庫)の感想
象牙取引とか、過酷な労働で黒人が死ぬとか、歴史の闇を描いているわけですが、それを主人公の船長の視線で見せたというのがいい。クルツという会社の現地担当の男が、まるで王国のような場所を築いたのがアフリカのコンゴだった。それは内陸部にあり、川を舟で遡っていくのだが、人食い種族に襲撃されたりと怖いことばかりなのである。この奥地の闇と黒人差別という闇と、そこで仕事をしていて精神を病んでいるクルツの心の闇が二重三重にも重なって、とても恐ろしいことになっている。白人視点なので黒人差別主義ともとれるが、それだけではない。
読了日:04月19日 著者:コンラッド

トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫)トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫)の感想
インディアンのハーフの悪役の扱いが酷いのにびっくりした。いくら極悪でも、あのラストはないと思うし、何かよくわからないが嫌な感じしかしない。印象に残ったシーンは、もう1つありペンキ塗りのシーンかな。トムはかなり小ずるい少年なんだ。騙して自分の仕事を他の人に押し付ける。勝手に家出して迷惑かけて、それなのにベッキーと洞窟行ったり何なんだろうな。アメリカにおけるインディアンの差別が強烈だというのがわかった。
読了日:04月21日 著者:トウェイン

書記バートルビー/漂流船 (光文社古典新訳文庫)書記バートルビー/漂流船 (光文社古典新訳文庫)の感想
バートルビーの話しが印象に残った。せっかく雇った初期のなのに働かない。勝手に事務所に住む。解雇になっても出ていかない。事務所を引っ越しても、そこに居続ける。刑務所に入れられると飯を食わない。何でもNOと言う男なのだが、これは理解しがたい。資本主義への反発なのか?。飢え死にするまでやり続ける意味がそこにはあるのか、何が彼にそうさせるのか。まったく意味が不明なのだが、そこが凄い。こういう発想は凄いと思うのだが、結局、何なのかわからない。漂流船のほうは奴隷差別の問題なのかな?。
読了日:04月24日 著者:メルヴィル

ピエタとトランジ <完全版>ピエタとトランジ <完全版>の感想
名探偵トランジと親友ピエタの物語。探偵というのは殺人事件を解決したり、未遂に終わらせたりするものだが、トランジは死を招く女なのである。彼女たちが近づくと、事件は解決するが、同時に人が死ぬ。驚くのは、二人の「死」に対する距離感だ。まるで他人事。コンビニでおにぎり買おうとしたら売り切れでした。次に行こう。みたいな軽いノリで、たんたんと高校、大学、医師、探偵、中年、老人と時代をたどっていく。とにかく人が死にまくり不快だ。「死」は疫病なのか?。死は彼女たちにとって何なのだ。死ぬとは何なのだ。喉元に刃を突き付け・・
読了日:04月26日 著者:藤野 可織

死の家の記録 (光文社古典新訳文庫)死の家の記録 (光文社古典新訳文庫)の感想
疲れた。あまり楽しくもないし、登場人物がたくさん出てくるので、1つ1つのエピソードが後ろに追いやられていくようなイメージで気がつくと別の話しになっていて印象にあまり残らなかった。シベリアの監獄はかなり日本のそれとは違い自由であり、仕事を持ってお金を稼げたり女を買えたり、酒を飲めたりと比較的自由である。天然の要塞なので脱獄は困難だ。政治犯などは同情せざるおえない。本当の意味での犯罪者集団というわけではない。民族学的な価値とかのある歴史小説なのかもしれない。当時の監獄の雰囲気はわかります。でも、退屈だ。
読了日:04月29日 著者:ドストエフスキー

以上。

3月の読書記録

読んだ本の数:20
読んだページ数:5021


 おすすめ本三冊

・悪と全体主義―ハンナ・アーレントから考える 著者:仲正 昌樹
・不確定世界の探偵物語   著者:鏡 明
・肉体の悪魔  著者:ラディゲ


読んだ本の数が、かなり多い。
休日の外出を極力控えた影響だと思います。
漫画や読みやすい物が多く、「悪と全体主義」以外は、難物に挑戦していないのが残念です。
漫画の中では、ゴーリキーの「どん底」が良かった。
「不確定世界の探偵物語」はSF作品として優れていて、かなり楽しめた。おすすめです。
「肉体の悪魔」は古典の名作であり、いつ読んでも心が震える。
ジャック ロンドンの「野性の呼び声」もいい。
4月は長編と格闘したいものです。


以下、簡単なまとめ



超訳ニーチェの言葉 II超訳ニーチェの言葉 IIの感想
ニーチェの思想は難解で、学生時代にチャレンジしたが苦労した記憶がある。本書は名言集なのでとっつきやすい。パート2である。1に比べると少し見劣りする。有名な「深淵を覗き込んだら・・・」の句が収録されていて感動した。おお、ここにあったのか。ここにあったのですよ。
読了日:03月01日 著者:フリ-ドリヒ・ヴィルヘルム・ニ-チェ

マンガで読む名作 ソクラテスの弁明マンガで読む名作 ソクラテスの弁明の感想
マンガなのにポイントをきちんと押さえていて楽しめた。「無知の知」は名言なので知っていた。最後の場面に、プラトンは病気でいなかったんだ。こういう理不尽は昔はよくあったと思う。今の時代でも罪の捏造は起こりえる。ギリシャ時代の裁判は、へんてこだ。あれだと口の達者な人は、いつも無罪になる。嘘つきも無罪になる。正直者だけが損をする。
読了日:03月01日 著者:プラトン,横井謙仁

まんがでわかる 頭に来てもアホとは戦うな!まんがでわかる 頭に来てもアホとは戦うな!の感想
ビジネス書です。私が思っていたのとは内容が違った。ようするに、会社の中にいるアホと、どんな風にして付き合っていくかという話しなのですが、自己啓発本としてはいいのですが、実践的ではない気がする。こんな性格の良いアホはいないよ。もっとアホはアホで腐っていますよ。そんな人に目をつけられたら、何を言おうがダメ。
読了日:03月01日 著者:田村 耕太郎,秋内 常良,松枝 尚嗣

ヘブンメイカー スタープレイヤー (角川文庫)ヘブンメイカー スタープレイヤー (角川文庫)の感想
2つの物語が、やがて1つに重なっていく。なるほと゛・・・納得した。人間の感情は予想できないものなのだなぁと思う。バベルの町が、彼がいなくなったとたん対立し崩壊していったり、初恋の恋人に裏切られたり。ラノベのような軽さと冒険小説が混じったような不思議な感覚です。彼は世界をよくしようと思っていたのだろうが、相手は人間。そんなにうまくはいかない。まるで自分が神にでもなつたように主人公に寄り添うことのできる作品でした。でも、人は神になってはいけない。
読了日:03月03日 著者:恒川 光太郎

悪と全体主義―ハンナ・アーレントから考える (NHK出版新書 549)悪と全体主義―ハンナ・アーレントから考える (NHK出版新書 549)の感想
全体主義は突然変異だと思っていたのだが、ヨーロッパの歴史の中で産まれて来たのだとわかりびっくりした。アフリカを植民地支配したことにより優生思想、人種主義。金融業を独占していたユダヤ資本。国を持たない彼ら。歴史的に突き上げて来た差別意識が総合し、排他的というのか、あのナチスの全体主義が発生した。その中心を担った大衆の存在。ユダヤ虐殺の実行者の語った罪の意識の皆無。難しいが学ぶべきものが多い本であった。
読了日:03月05日 著者:仲正 昌樹

刑務所いたけど何か質問ある? マンガ『刑務所なう。&わず。』完全版【文春e-Books】刑務所いたけど何か質問ある? マンガ『刑務所なう。&わず。』完全版【文春e-Books】の感想
刑務所って楽しいところじゃん。おもしろいユニークキャラのおっちゃんがたくさんいて、コーラーやアイスも飲める。映画もテレビも見れる。面会はOkだし、差し入れにエロ本。看守も優しそう。これは普通に面白い本だった。刑務所に問題があるとしたらエアコンがないことかな。冬はかなり寒そうだし、夏は逆に熱そう。生ぬるい麦茶は嫌だな。
読了日:03月07日 著者:原作 堀江貴文,漫画 西アズナブル

行動力のコツ──結果を出せる人になる96のことば行動力のコツ──結果を出せる人になる96のことばの感想
ポジティブとネガティブの2つの感情があって、人間はどちらかというとネガティブにすり寄っていくという話しは、色んな人が言っている。だから、ポジティブに無理から考え方の軸を持っていかないといけない。本書を読んでいると、そうなれる。ポジティブになり、行動的になっていく。同じような単純な、どこかで読んだような記述が続くので馬鹿にされたような気分になり、こんな読書は無駄だ、レベルが低いなどと思ったりもするのだが、読んでいるうちに無意識が洗脳されているのに気づき。「すごいじゃん」と思ったのだった。いい本です。
読了日:03月07日 著者:植西 聰

1984年 ─まんがで読破─1984年 ─まんがで読破─の感想
全体主義の恐ろしさがよくわかった。相互監視の社会。ちくり社会というのか?。そこでは、性欲すらも否定される。部屋や道や店が監視されていて、戦前の日本や共産主義の国のようだった。最後の拷問のシーンが強烈なインパクトがあって印象に残っている。救いのない話しだった。こんな世界で生きていて幸せだと言えるのか?。
読了日:03月08日 著者:ジョージ・オーウェル,バラエティ・アートワークス

秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~ (光文社古典新訳文庫)秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~ (光文社古典新訳文庫)の感想
表題作の生肉を食うシーンが強烈だった。あとは、ゴブリンが光るものを収集する話しとかも興味深い。「約束」の死人が訪ねてくる。あの話しもおもしろく、でも、誰もいないベットでいびきだけが聞こえてくるというのもやっかいだ。吸血鬼、千里眼。幻想小説。それに「幽霊」ものとジャンルは多岐にわたっていて楽しめるが、やはり古さを感じてしまう。そこが残念だ。
読了日:03月10日 著者:ブラックウッド

不確定世界の探偵物語 (創元SF文庫)不確定世界の探偵物語 (創元SF文庫)の感想
一人の人間を神とする世界が、本当に存在しても良いのか。 世界に一つのタイムマシーンが存在する世界。ブライスという男が、世界をより良いものにしようとしている。だから、いきなり、その時代が変化し便利になるが、それは現代人が何かを生み出すことがなくなった社会でもあった。 一人の探偵が、そんな社会で事件を解決していくバードボイルド。かなり面白く、短編集なのだが最終的には繋がっている。未来からやってきたりする奴らもいて、主人公と相棒の女性は常に危機的な状況となるのだった。
読了日:03月12日 著者:鏡 明

武士道 ─まんがで読破─武士道 ─まんがで読破─の感想
西洋の道徳は「キリスト教」という背景があるのに対し、日本は「無宗教」なので何もない。新渡戸稲造は外国人に聞かれて困った。そこで日本にも「武士道」という道徳規範があったと・・・。それを簡単に漫画で解説したのが本書である。読みやすくていいのだが、少し軽い。それと考え方が時代錯誤だ。他人を思いやる優しさや。正義感には共感させられる点が多々あったが、自分の妻を「愚妻」と呼んだり、土産物を「つまらないものですが・・・」と表現するところは、現在的ではない気がする。特に、妻に対する態度はパワハラである。
読了日:03月14日 著者:新渡戸稲造,バラエティ・アートワークス

超訳 ゲーテの言葉超訳 ゲーテの言葉の感想
ゲーテの名言集。あらゆる盗人の中で、もっとも質が悪いのは、愚かな人間だ。 彼らは、金品は奪わない。しかし、人の貴重な時間と快い気分を奪っていく。
読了日:03月14日 著者:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

マンガで読む名作 どん底マンガで読む名作 どん底の感想
帝政ロシアの時代は民衆は貧しかった。この下宿は、職人、死にかけの人、泥棒、元男爵、売春婦、役者、無職の男、イカさま師と癖ある貧民たちのたまり場だった。そこに爺さんがやってくる。キリストのような聖人だ。人々の心が少しずつ変化していくのだが、家主の妻と泥棒が不倫していて、泥棒はその人の妹が好き、妹は家主と姉にいいようにされている。浮気妻から亭主を殺し妹と逃げろと提案されるが断るも、その妹はイジメられ、結局、家主を泥棒が殺すという悲劇の輪島塗り。どこにも幸せはないのだが、何か心の底が温かくなる。そんな作品。
読了日:03月15日 著者:ゴーリキー,横井謙仁

肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫)肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫)の感想
肉体の悪魔 ラディゲ 20歳で早世したラディケの不倫小説。戦争中のフランス。16歳の少年と19歳の軍人妻の不倫を少年の揺れる不安心理を要り混ぜながら描いた秀作である。少年の子供っぽさが楽しく、不倫というよりも遊んでいる。恋愛ゲームをしている感じに思えた。自分の子を妊娠してしまったあたりから雰囲気が変わってくる。彼女の友達との怪しい出来事や、双方の両親の対応も興味深い。最後のシーンは胸にぐっとくる。
読了日:03月18日 著者:ラディゲ

まんがでわかる指名される技術(1) 六本木ホステスから盗んだ、稼ぐための仕事術まんがでわかる指名される技術(1) 六本木ホステスから盗んだ、稼ぐための仕事術の感想
ホステスさんの技術からビジネスを考察するという試み。確かに参考になることがあった。何かに集中して依存するのは危険だ。ホームランバッターより3割打者になるのが良いのだ。ホステスというのは商売であり、人間は自分本位であるから。客のそういう感情をうまく満足させる。それが客商売の本筋なのであった。自分はよそに置いておいて、まずは客という姿勢は参考になる。
読了日:03月20日 著者:堀江貴文,斎藤由多加

君にはもうそんなことをしている時間は残されていない君にはもうそんなことをしている時間は残されていないの感想
言っていることは正論だし共感もできたが、今の空気を読みあう日本の社会で、これをやると浮き、仕事がやりにくくなる。ようするに、大切なのは時間であるということだ。その時間をどれだけ有効活用するかによって幸せ度が違ってくるということなのかな。通勤時間の無駄、行列のできる店に並ぶ無駄、意味のない講習に参加する時間の無駄。くだらん付き合いに時間を消費させられる無駄。なるほどと思いました。
読了日:03月21日 著者:千田琢哉

総理にされた男 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)総理にされた男 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)の感想
総理の物まねをしていた役者が死んだ総理の影武者をして国難を乗り切るという無理設定なのに、最後は感動した。一個の人として問題に向き合う真摯な気持ちが胸を打つ。政治や経済のことも色々と出てきて、実在の人物であろう人たちも登場する。作者の政治的な立場は与党寄りである。なのに原発は反対。他は何となくアベノミクス。社会党党首らしきおばさんをクズ扱いし、民進党ですか?。民主党ですか・・・、前政権を無能バカ扱い。今の総理はヒーロー扱い。ちよっと偏りを感じるが、まぁ、これはこれでいいのでしょう。ラストは良かった。
読了日:03月24日 著者:中山 七里

たった一人の熱狂 (幻冬舎文庫)たった一人の熱狂 (幻冬舎文庫)の感想
激しい生き方だなぁと思う。「読書という荒野」というこの方の本とダブるところがあり、ちょっと残念。とはいうものの激しい生き方だと思う。努力努力の人なのだ。その先にしか未来や成功はないと思っているのだろう。そういう人しか人として認めないのかもしれない。この本を読むと心の底にある熱い何かが刺激される。とても良い本だと思う。
読了日:03月24日 著者:見城 徹

野性の呼び声 (光文社古典新訳文庫)野性の呼び声 (光文社古典新訳文庫)の感想
野性の呼び声 ジャック ロンドン  主人公はバックという少しニヒルなかわいげのない犬です。犬社会の序列とかおもしろかった。にしても、これは過酷な運命だ。犬の存在が、いかに人間の存在に左右されるのかがわかる。犬の視点で物事を見ると人間の愚かさや残忍さが見えてくる。夫婦と弟と14匹の犬のパーティの旅が象徴的で、無理をさせるから飢え死にしたりする。最後は、彼らも死んでしまう。最後のオチは、ちょっと・・・。せっかく出逢った善人の人間を殺すのは悲しい。動物はやはり野生で生きるのがいいということなのか。
読了日:03月26日 著者:ジャック ロンドン

薬屋のひとりごと (ヒーロー文庫)薬屋のひとりごと (ヒーロー文庫)の感想
薬屋のひとりごと 日向 夏 医学ものであり王宮もの。猫猫のツンデレキャラがよくて、宦官の美青年壬氏との漫才のような掛け合いも楽しい。ほんわかとした雰囲気の中に毒だとか死とかの問題が見え隠れしてくる。のりが軽く、サクサク読める。読んで損はない。好きなシーンは、子供をおしろいの毒で亡くした妃の世話をしていた時、そこの取り巻きたちが病気の妃に「美しくあって欲しい」とおしろいをしているのを発見した時の猫猫の台詞。「誰 が 自分 の 餓鬼 殺し た 毒 を 喜ぶ ん だ よ」。この毒舌がたまらん。
読了日:03月29日 著者:日向 夏


2月の読書記録

読んだ本の数:17
読んだページ数:4037


おすすめ本三冊

「果しなき流れの果に 」小松 左京
「地下鉄の手記」ドストエフスキー
「最高の任務」乗代 雄介





最高の任務
乗代 雄介
講談社
2020-01-11




地下室の手記 (光文社古典新訳文庫)
ドストエフスキー
光文社
2013-12-20



新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫)
小松左京
角川春樹事務所
2018-06-13




 今月は、新型のインフルエンザの影響で、休日の外出が極端に少なく。確定申告などで少し時間をロスしたが、読めた本の数は例年比より、かなり多かった。
 100分DE名著などの勉強系の本をたくさん読めたのが収穫でした。小松さんの「果しなき流れの果に 」や「最高の任務」などの良質の小説と出会えたのも良かった。発想のおもしろさでは「代体」「スタープレイヤー 」もおもしろかった。


以下、簡単なまとめ




世界史とつなげて学べ 超日本史 日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史世界史とつなげて学べ 超日本史 日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史の感想
現在予備校の世界史の講師をしている著者が日本史の本を書いたというのがおもしろい。世界史とつなけで日本史を見ると、別の真実が見えてくる。とくに、豊臣秀吉が伴天連追放令を出した理由とか、新羅百済高句麗の時代に、日本人勢力が朝鮮半島に領土を持っていた事実を資料等により説明したところ。昔は教科書にのっていたのに、韓国で否定されたので日本の教科書から外された点。忖度。知らないことを知れて良かった。一応、通史なのだが江戸時代までで終わっている。近現代史は色々とややこしいので避けた気持ちはわかる。読み物としても楽しい。
読了日:02月01日 著者:茂木誠

果しなき流れの果に (角川文庫)果しなき流れの果に (角川文庫)の感想
50年以上前に書かれた作品なのに、今でも十分に楽しめた。恐竜時代にはじまり、遥か未来まで。時間旅行者の話し。歴史を改変しようというグループと、それを管理し改変を阻止しようとしているグループがいて、歴史も改変されるから色んな世界が発生し色んな可能性があって、堂々巡りでスケールがでかい作品だなぁと感じました。かなりエネルギーのいる長編で、私自身どこまで理解できたのかもよくわからないし、前半のおもしろさからくる中盤の何かよくわからなさ。未完成のような終わり方の連続で翻弄されました。
読了日:02月05日 著者:小松 左京

池上彰と現代の名著を読む (単行本)池上彰と現代の名著を読む (単行本)の感想
東京工業大学での講義を書籍化したものでした。理系の学生との読書会というのかな。何冊かの本を読んでディスカッションしています。半藤さんの本のところは一方的な講義のような感じもしたが、これはこれでコンパクトにまとまっていて良かったと思う。後半は質疑応答、学生たちのディベート形式で、これは理系視線なので愉快だった。しかし、本の内容説明がおおざっぱで知識のない本、読んでない本については十分に理解できたとは思えない。そこが残念なれど、良書であるので、おすすめしたいと思います。
読了日:02月08日 著者:池上 彰

別冊NHK100分de名著 読書の学校 池上彰 特別授業 『君たちはどう生きるか』別冊NHK100分de名著 読書の学校 池上彰 特別授業 『君たちはどう生きるか』の感想
 前に漫画版を読んでいたので、とっつきやすかった。事前知識があった方がわかりやすい。戦前に書かれたという時代背景を無視することはできず、そんな中で反戦的な考えや自分の頭で考えろと指摘することは勇気がいることだと思った。道徳の授業のような内容ではあるが、子供が読むにはとても最適で、十分に大人でも楽しめます。
読了日:02月09日 著者:池上 彰

犬鳴村〈小説版〉 (竹書房文庫)犬鳴村〈小説版〉 (竹書房文庫)の感想
映画化ということで原作が気になり読みました。都市伝説で、〝犬鳴村〟という最強の心霊スポットがあるのは聞いたことがありました。視点転移が頻繁に起こる書き方なので、深みというのか心理的な掘り下げはなく少し軽い印象、その代わりに展開の速さや動的なエンタメ的な要素が強調されていておもしろかったと思います。漫画にした方が良かったのでは?。にしても、この村に対する扱いは日本国では、いくら昭和でもありえない。戦国時代のような理不尽さです。
読了日:02月11日 著者:久田 樹生

別冊NHK100分de名著 読書の学校 養老孟司 特別授業『坊っちゃん』別冊NHK100分de名著 読書の学校 養老孟司 特別授業『坊っちゃん』
読了日:02月11日 著者:養老 孟司



最高の任務最高の任務の感想
第162回芥川賞候補作の表題作と、中篇「生き方の問題」を収録。「手紙」と「日記」を通して「書く」という行為の意味を問題定義したのかな。過去を客観的に俯瞰してとらえるということなのかな。候補作の方は、日記で、それは叔母との記憶に関するものだった。日記を書くという習慣には、自分とは誰を追求する作業にも似たものがあるのかな。「生き方の問題」の方がおもしろく、少しエロくて変態的な「手紙」。これはラブレターだ。過去の記憶を「手紙」にすることで、自分の本当の意思と向き合うという秀作だった。すごく斬新でいい。
読了日:02月13日 著者:乗代 雄介

別冊NHK100分de名著 読書の学校 出口治明 特別授業『西遊記』別冊NHK100分de名著 読書の学校 出口治明 特別授業『西遊記』の感想
中学生に向けて語られた講義をまとめたものなので簡単です。古典がおもしろくないのは、時代背景を知らないからだとおっしゃっていて、中国の歴史を語られているところが一番おもしろかった。講談のような形式で伝わった話しなので一貫性がないとのことである。細かい解説により、何故、孫悟空が猿なのか、石に閉じ込められていたのか?。何故、弟子は三人なのか?。色々わかって楽しい本ではあります。
読了日:02月15日 著者:出口 治明

田辺聖子の今昔物語 (角川文庫)田辺聖子の今昔物語 (角川文庫)の感想
今は昔しで始まる今昔物語。約30の短いが不思議な優しいお話しだった。平安時代も、まだ、初めの頃の話しが多く。鬼が出てきたり、姫様を拉致して連れ去る人間が現れたり、やはり恋の話しが面白い。治安がことのほか悪いのもわかった。読んでいくうちに芥川の世界と重なっていくのもおもしろい。とても読みやすく、数が多いので1つ1つの印象は弱いが入門書としては最適なのかなと思う。語りが優しいのは、作者の人柄だろうか。少し説教臭いのは宗教色があるのかもと感じた。
読了日:02月18日 著者:田辺 聖子

読書という荒野 (NewsPicks Book)読書という荒野 (NewsPicks Book)の感想
すごい人で情熱的なのはわかる。幻冬舎の見城徹の読書論だ。角川春樹の弟子だったのは知らなかった。少し武勇伝が多めだし古い学生運動の時代の話しは想像もつかん。絶対に一緒に仕事をしたくない人だというのはわかったし、幻冬舎で村上春樹が書かなかったのも理解できる。読書という習慣で血や肉となる「言語」を培った見城さん。その読書遍歴は他者を圧倒するが、1つ1つの本や作家に関する深みがなく、好きな作家を思いっきり贔屓しているようにも思えなくはない。その「好き」という気持ちが大切なのかな。
読了日:02月20日 著者:見城 徹

地下室の手記 (光文社古典新訳文庫)地下室の手記 (光文社古典新訳文庫)の感想
自意識過剰ゆえに、他者との関係性がうまく成立しない。摩擦が生じる。極端な行動に出る。最初は、単なる異常者の手記かと読んでいたが、売春婦の女性が出てきたところから加速度的に、その自意識にさいなまれる個人が浮き彫りとなっていき、ほとんど葛藤に近い矛盾との闘いになっていき、最後の方は主人公に感情移入していき切ない気持ちになっていった。「自意識」の問題は今にも通じるモチーフで、精神疾患などの病の源にもなっているケースがあると聞く。コミュ二ケーションが上手いとれない人が、現在は多数を占めている。今読むべき本だと思う
読了日:02月22日 著者:ドストエフスキー

別冊NHK100分de名著 読書の学校 養老孟司 特別授業『坊っちゃん』別冊NHK100分de名著 読書の学校 養老孟司 特別授業『坊っちゃん』の感想
大人になるとは、どういうことなのか?。結局、それが「坊ちゃん」のモチーフだったのだなと思うのです。清の死とともに物語が終わるのが、いかにもと思えた。話しが横道にそれたまま脱線していく場面が多々見られ、何かよくわからなかった。少し期待外れ。
読了日:02月23日 著者:養老 孟司

NHK「100分de名著」ブックス 夏目漱石 こころNHK「100分de名著」ブックス 夏目漱石 こころの感想
漱石の「こころ」について、私とは少し違った角度で解釈していたのが面白かった。てっきり、Kを裏切ったことの罪悪感をずっと引きずって、先生は自殺していたと思ったのだが、これだと、それだけではない気がした。藤村操の死という現実の出来事がKの死に影響しているのではという解釈もおもしろい。Kと先生の関係性。お嬢さんと二人の関係性。そして、私と先生の関係性の不思議さに驚いた。
読了日:02月23日 著者:姜 尚中

白の鳥と黒の鳥白の鳥と黒の鳥の感想
10分くらいで読める短編がたくさん・・・。 基本、ホラーというのか残酷な路線のダークな童話なのですが、ラストに太った人が住んでいる村があって、これは現代人の思っている幸福と別の幸福の可能性があることを示唆していて楽しい。ちょっと疲れるかも・・・。
読了日:02月26日 著者:いしい しんじ

代体 (角川文庫)代体 (角川文庫)の感想
人間はいつの時代でも不老不死を求めるものなのですね。「代体」とは代わりの身体器のこと。ある人(治療の必要な患者など)から、意識(魂)を抜き取り、ロボットの中で生かす。ただし、期間は1か月で終わり。長期間は機能的に無理みたい。法律で1人1体と決まっているで、肉体が死んでも意識だけでロボットを移り変わって永遠に生きることはできないが、まぁ、それは裏道というのか人間がやることなのである。発想は面白くストーリーも楽しい。でも、意識は取り出せないだろと思うので、リアリティは欠けるのです。
読了日:02月27日 著者:山田 宗樹

スタープレイヤー (角川文庫)スタープレイヤー (角川文庫)の感想
10の願いを叶える権利を持って、異世界にやってきた中年女性。つまり、ファンタジー小説だ。ゲーム系のラノベ風かと思ったら、全く違った。モチーフがしっかりしている。自由にできる願いなのだが、人と関わることで、これが不自由になってくる。子供を生き返らせてくれ。国が敵国に責められている。そういう深刻な願いの前で、彼女は選択を強いられる。自由とは何なのかを考えるきっかけになった。おもしろかった。
読了日:02月29日 著者:恒川 光太郎

感想 書き忘れ
別冊NHK100分de名著 若松英輔 特別授業『自分の感受性くらい』   若松 英輔
2/16読了



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1月の読書記録

平日3時間、休日8時間平均の読書でした

読んだ本の数:14
読んだページ数:4316

正月休みがあったにしては、読んだページ数は少なかったように思います
新刊は三冊、私たちの愛した赤毛のアン、甘夏とオリオン、OJOGIWA。
小説以外の本も三冊。古典2冊とバランスが良かったと思います。
SFとホラーを中心にという1月の目標も達成できました。

今月の収穫は、小松左京さんと出会えたことでしょうか!

---おすすめの三冊---

・愛がなんだ 角田 光代
・鼻/外套/査察官  ゴーゴリ
・小松左京短編集 大森望セレクション 小松左京

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以下、読んだ本の簡単なまとめ




フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)の感想
創造 主 よ、 土塊 から わたし を 人 の かたち に つくっ て くれ と 頼ん だ こと が あっ た か?   暗黒 から わたし を 起こし て くれ と、 お願い し た こと が あっ た か? この言葉が印象に残った。フランケンシュタイン博士を、よく文明の暴走のように比喩されることがある。 原子爆弾のように、それを生み出した為に人類に多大な被害をもたらした。それは科学者のエゴであり罪であるという議論だ。怪物を生み出したため、愛する人たち、自分をも殺された博士。化学は暴走する。
読了日:01月03日 著者:メアリー シェリー
愛がなんだ (角川文庫)愛がなんだ (角川文庫)の感想
恋愛がゲームだとしたら好きになった方が負けだと思っていたが、これは性格なのだと気づいた。好きになったら自分を見失う破滅するほどに激しい恋。恋に恋する。そんな瞬間。この映画を2019年のGWくらいに見て、原作を絶対に読みたいと思った。映画も素晴らしいが文字になると、それはそれで、またいい。こういう恋をしている時が、実は一番幸せな時なんだよね。いい作品でした。おすすめです。
読了日:01月04日 著者:角田 光代
[まとめ買い] 赤毛のアン漫画 赤毛のアンの感想
赤毛のアンを綺麗な絵で少し駆け足で楽しめた。3冊3時間くらいで楽しめる。悪くない。やはり、マシューの死と、最初の子供の頃の話しがいい。後半はやはりだれる。アンの絵は、とても良くてキャラが生きていた。周囲の人物が少し薄く描かれているのが残念。
読了日:01月05日 著者:杉本 啓子
赤毛のアンの幸せになる言葉赤毛のアンの幸せになる言葉の感想
個人的に年始の赤毛のアン祭を開催している。ラストはこの本。赤毛のアンの翻訳者の松本さんが、原作から言葉をピックアップし、それを解説。赤毛のアンのエピソードを交えて紹介するというファンには嬉しい一冊なのです。本書を読むと、いかに赤毛のアンがポジティブな光を放っているかがわかる。この名言集を読むだけで幸せになれる。赤毛のアンの大切なところが凝縮されていました。もちろん、赤毛のアンを読んでいなくては理解できないし、これを理想論と思ってしまっては台無しなのです。いい本でした。
読了日:01月06日 著者:松本 侑子
【Amazon.co.jp 限定】私たちの愛した赤毛のアン ポストカード付き限定版私たちの愛した赤毛のアン ポストカード付き限定版の感想
赤毛のアンのファンブック。子供の頃からのファンなので読んだが、女の子向けだった。それでも十分に楽しめる。ファション、生活、色んな解説があったり漫画の紹介とか、色々あって楽しい。
読了日:01月07日 著者:
Black Box (文春e-book)Black Box (文春e-book)の感想
日本の司法制度というか法に問題があるということが、明確に示されていると言う点でも、この本は単なるゴシップ本なんかではなく、レイプ被害を実際に受けた人の取るべき姿を勉強できるものになっている点で優れていた。つっこみどころは、あるかもしれないが、それは目をつぶって、彼女の主張に耳を傾けるのが良いように思える。レイプ被害者というよりも、それを書いたジャーナリストのような冷静さによって、ただの感情論ではなく、何が問題なのかを浮き彫りにさせているという点が、この本の良いところなのである
読了日:01月09日 著者:伊藤 詩織
鼻/外套/査察官 (光文社古典新訳文庫)鼻/外套/査察官 (光文社古典新訳文庫)の感想
昔、岩波文庫で読んだのですが、あの時は「ダメだ、こりゃ」と思ったのです。だが、今回、新訳で読むと「まったく違う」。不思議だなぁと思った。生き生きしている。テンポがいい。査察官は、とくに笑えた。古典文学で、ここまで笑えたのは初めてだと思う。というのも落語風に翻訳していて、リズムがよく少し軽い感じで話しが展開していくので、古典という違和感を感じることなく読めたのが良かったのかもしれない。おもしろいですよ。コメディであり風刺なのかな。でも、当時のロシアがよくわかんないから、何となく風刺しているという風?。
読了日:01月11日 著者:ゴーゴリ
小松左京短編集 大森望セレクション (角川文庫)小松左京短編集 大森望セレクション (角川文庫)の感想
名前くらいは知っていたのですが、小松さん初読みです。たぶん、私が産まれる前に活躍していた方だと思います。日本のSFと言えば小松さんなのですが、入門書は?と聞くとこの本を教えてもらえました。本書は名作ぞろいです。少しびっくりしました。発想力がすごい。ほとんどの作品にラストのどんでん返しがあり、まるで良質のミステリーのようでした。それでいて、想像していなかったような世界に誘ってくれます。すごい作品群なのですが、SFなのか?と疑問を持ってのも確かで、落語の話しとかは凄いしホラー的なものも多かったのですが・・・
読了日:01月15日 著者:小松 左京
小松左京短編集 東浩紀セレクション (角川文庫)小松左京短編集 東浩紀セレクション (角川文庫)の感想
私が産まれる前に、こんな作家が・・・。それだけでも驚き。「ゴルディアスの結び目」を読めただけでも幸せでした。東さんのセレクションは、有名な作品が多く。小松作品のクリーンナップという印象がしました。アダム の 裔などの少しエロいがラストのどんでん返しがすごい名作や人類 裁判のような環境問題をモチーフにしたもの、大坂 夢 の 陣のようなテレビの裏側を見せたような形のものと多岐に分野がわたっていて楽しかった。静寂 の 通路が、一番好きかもしれません。とにかくおもしろかった。
読了日:01月18日 著者:小松 左京
甘夏とオリオン甘夏とオリオンの感想
大阪弁が流暢なので上方落語の雰囲気が良く出ているし、落語の知識が豊富なので楽しめた。女流落語家の視線は差別との闘いの視線でもあり、頼みとしていた師匠の失踪は、彼女たちをとても辛い立場に追いやっていくのだが、何人もの師匠たちが助けるのは、それは落語という伝統芸能が絶滅の危機を繰り返してきた歴史からの学びであり、若手の落語家を宝だとする精神から、他門の人間にでも話しを教えるということなのだと思った。たくさん落語が出てくる。あらすじを解説してくれるのでわかりやすい。おもしろかった。
読了日:01月21日 著者:増山 実
メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)の感想
メモはよくとるのですが、使うと放置するのが多かったです。つまり、必要だから取るが用済みになったら忘れる。著者とはかなりスタンスが違います。前田さんの考え方は斬新で驚き、とても勇気づけられました。こんな方法があったのだとびっくりしました。ファクト→抽象化→転用。このファクト。事実をメモることしかしてなかった。次のステップをまったく意識していなかった。ラストの方の人生の羅針盤のあたりの話しも良かった。要するにメモを深堀りすることですね。何故そう感じたのか、どうして、そう感じたのか内面の思考を知るのも大切?。
読了日:01月23日 著者:前田 裕二
OJOGIWAOJOGIWAの感想
ラストのどんでん返しが強烈だった。この作者は発想にセンスがあると思う。4人の男女が練炭自殺しようとしていたら、車かやってきて車内でHし出して、そこに別の車がやってきて女は拉致、男は射殺。3000万の金を彼らが持ち逃げ、それでやくざたちにはめられて一人ずつはめられていくというミステリー形式のエンタメなんだが、実によくてきていた。おもしろかった。途中、展開がマンネリになっていくが、ラストにひねりがあったから良しである。
読了日:01月25日 著者:藤崎 翔
ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)の感想
2015年日本ホラー小説大賞受賞作。著者の他の作品を読んで感じたのですが、「ぼぎわん」「ししりば」「ずうのめ」と造語をタイトルに用い得体の知れない怖さを潜在意識に認識させるのです。本作は、デビュー作ということもあり、他の作品に比べると完成度に多少難ありなのですが、おもしろいものはおもしろいのです。子育てにおける夫の視点、妻の視点という社会問題や、昭和時代の夫婦関係。昔の時代に食糧難で化け物に子供を食べさせていたとかいろんな問題がちりばめられていてホラーとしてだけでなく楽しめました。
読了日:01月28日 著者:澤村伊智
あなたを変える52の心理ルール (中経の文庫)あなたを変える52の心理ルール (中経の文庫)の感想
内容としては広く浅い感じの簡単で役立つ情報のまとめサイトのような本でした。説明がわかりやすいので、中学生でも理解可能で実践的なものも多かったです。52もあったのですか・・・。タイトルを見てびっくり。印象に残ったのは、良い話を先にすると、 印象が良くなる。人は「 行動」 と「 気持ち」が 一致 しないと 不快になる。目立った特徴に全体の評価が引きづられる「ハロー効果」の話しでしょうか?。いい本だと思いました。
読了日:01月30日 著者:メンタリスト DaiGo


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