教育の問題に、エビデンスを示し、何が有効なのかを示すという楽しい本だ。


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ベストセラー、「学力」の経済学の漫画版だ。
かなり面白い。
漫画にしたら難解だが、よく読めば理解できるし、教育の問題なので誰にでもわかると思う。
東大に子供を入れましたとか、色んな本が売れているが、アレはその人の成功体験であり、この本は、そういう一部のレアケースではなく皆の参考になる話しなのです。

質問形式に、答える形になっている。
すべてに、エビデンス(科学的根拠)があり納得がいく。
漫画なので説明が雑なところがあるが、そこは仕方がない。

気になったところだけ・・・。

Q、子供を褒美で釣っていいのか?

テストで良い点とると御褒美   アウトプット
本を1冊読むと御褒美    インプット

さて、どっちが有効か?

人間は遠い未来においては賢い選択ができるが、近い未来においてはできないそうである。
今の5000円と、一週間後の5500円。たいていの人は今を選んでしまうらしい。
人は、目の前の利益を優先する傾向がある。

だから、この場合、具体的な本を読むが有効なのである。
テストで良い点は、どうしたら良い点がとれるのか具体策が示されていないのでイメージしにくい。

答えは、ご褒美は有効で、インプットが良いとなる。

Q、褒めるべきかどうか?

自尊心と学力は相関関係(aとbが同時に起きている)にすぎず、因果関係(aという原因があってbが生じる)は逆という結果が出ている。

自尊心が強いから学力が高いのではなく。
学力が高いから、自尊心が強いなのだ。


だから、むやみやたらに褒めても根拠のない自信過剰になるだけでマイナスとなる。
どう褒めるのか?
答えは、能力を褒めるはX。努力を褒めるが正解である。

努力を誉められた子供たちは、もっと努力するようになるのだ。
これが科学的根拠である。

Q、テレビやゲームは制限すべき?
A、1時間程度OK。長時間は負の影響。

Q、優秀な人の近くにいると好影響を受ける。
A、もともと優秀な人間は好影響を受けるが、そうでない人は自信を喪失する。

Q、共学と男女別学どっちが良い
A、男女の特徴差があるので別学がいい


・非認知能力の大切さ
高校で良い成績を取る過程で獲得した非認知能力(まじめ、先生との関係が良い、計画性がある、やり抜く力があるなど・・)は高校を卒業した後も、彼らを成功に導いた。
「自分の能力は生まれつきのものではなく、努力によって後天的に伸ばせる」ということを信じている子供は「やり抜く力」が強いことがわかっています。
自制心とやり抜く力が大切だ。
何かを繰り返し継続しやり遂げることで向上する
心の持ち方が大切

自分の能力は生まれつきのものではなく、努力によって後天的に伸ばすことができるのだと信じることが大切。
逆に、自分はできないと思うと、その通りになってしまう。

非認知能力は、人生のかなりの長い期間にわたって、計り知れない価値を持ちます。

おもしろい本だった。
原本を読んでも良かったと後悔。



2020 4/18
令和2年62冊目
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まんがでわかる「学力」の経済学
中室 牧子
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2018-12-13